Codexでブラウザゲームを作った。

企画と調査を終え、Codex自身が制作仕様を固定してから約4分。画面には、逃げるプリンを捕まえて冷蔵庫へ戻す謎のゲームができていた。

実際に遊んでみた。今回の試遊範囲では、途中で進めなくなるような問題も見つからなかった。

ただ、面白くはなかった。

出来は悪くない。でも面白くない。AIが短時間で作ったゲームは、ずいぶん微妙なところまで来ていた。

PLAYABLE / PHASE 1

まずは初版を遊ぶ

Build Promptから生成したままの初版です。先に遊んでから続きを読むこともできます。

初版を大きな画面で開く

逃げるプリンを冷蔵庫へ

ゲームの名前は「PUDDING PANIC — 逃げるプリンを冷蔵庫へ戻せ」。青い冷蔵係らしきものを動かし、画面内を逃げ回るプリンを捕まえて冷蔵庫へ運ぶ。途中をスプーンが横切り、ぶつかると運んでいるプリンを落とす。制限時間内に5個を戻せば成功だ。

この実験では、人間が細かな制作指示を書いたわけではない。

私は実験候補を承認し、完成後に遊んで評価する。Codexは事前調査、成功条件、安全条件、Build Prompt、実装を担当する。その役割で始めた。

使ったのは、GPT-5.6 Solで動くOpenAIのCodex Desktop。

Codexが自分で作ったBuild Promptには、プリンを運ぶ基本ルールと、ゲームとして必要な画面や操作をまとめた。外部素材や通信、ブラウザ保存は使わず、私が遊び終えるまでは初版を直さない。

つまり「人間がAIへ一度だけ詳しい指示を出した」という実験ではない。Codexが自分で仕様を決め、その仕様を途中で変えずにどこまで作れるかを見た実験だ。

5分後には検査まで終わっていた

Build Promptの確定後、初版コードができるまで約4分。構文検査とローカルでの読み込み確認まで含めて約5分だった。企画や調査、Prompt作成にかかった時間は含んでいない。

初版はHTML、CSS、JavaScriptの3ファイル。開始画面から再挑戦までひととおり揃い、効果音も鳴る。コードの構文、外部通信やブラウザ保存の有無を調べ、ローカル環境で3ファイルが読み込めることを確認した。

その時点でファイルを凍結した。ここから先はコードを見るのではなく、私が遊ぶ番になる。

操作はOK。開始画面から勝敗、再挑戦まで一通り成立し、キーボードと画面ボタンの両方で遊べた。今回の試遊範囲では、進行不能になるような問題も見つからない。面白さとは別に、初版としてはしっかりしたつくりだった。

しかし、問題は別にあった。

負けるほうが難しい

簡単すぎた。

勝敗はあるのに、実質的には負けない。スプーンは動いているが、避ける緊張感は薄い。勝敗まで進めたというより、そのまま勝ててしまったという感覚に近かった。

面白さ1 / 5

出来は悪くないが面白くはない

ゲームの形は揃っているが、もう一度遊びたい理由がない。動くことと面白いことは、同じ完成条件ではなかった。

このまま「AIはゲームを作れた」で終えると、面白みがないので、今度は私から改善案を出すことにした。

改善作業

提案したのは、ステージ制のエンドレスゲームにすることだった。

ステージが進むにつれてプリンや妨害スプーンを増やす。クリアするたびに3つのスキルを表示し、その中から一つを選ぶ。移動速度、捕獲範囲、一度に運べる個数などを強化しながら、どこまで進めるかを競う。プリンは最大12個ほどにし、後半はぎりぎり進めるくらいまで難しくする。

ありきたりではあるが、初版に足りなかった「次も遊ぶ理由」は作れそうだった。

Codexは初版を残し、改善版を別のHTML、CSS、JavaScriptとして実装した。実装を承認してから生成までは約4分。スプーンの当たり判定も、見た目の先端に合わせて修正した。

ここからは、AIだけで考えたゲームではない。ゲームの仕組みは私が提案し、Codexがコードにしている。

PLAYABLE / PHASE 2

改善版を遊ぶ

ステージを終えると、3つの候補から次のスキルを選べます。初版と比べてみてください。

改善版を大きな画面で開く

面白さは1から3になった

面白さ3 / 5

悪くない。ちょっと面白い

初版より確実に良くなった。ただし、改善案を出したのは私なので、私自身が面白く感じるのは当然だろう。

そして、別の問題が見えてきた。

Stage 25 まだ終わらない

25

Stage 25まで来ても、ゲームオーバーにならなかった。

やろうと思えば、まだいくらでも進める優しい難易度。プリンの数が12個に達してからは、難易度が上がっている感じもない。こちらはスキルで強くなり続けるのに、ゲーム側の厳しさが追いついていなかった。

初版は簡単すぎた。改善版は少し面白くなったが、今度は終わらなくなった。

序盤は緩やかで、後半ほど急に難しくなる形が理想だったと思う。ただ、そこまで直すなら、プリンやスプーンの数値を上げるだけでは足りない。スキル同士のバランス、新しい妨害、ステージごとの変化を考え、何度も遊びながら調整する必要がある。

初版から改善版までは、欲しい仕組みを言葉にして追加する作業だった。その先で必要になるのは、実装よりゲームデザインだった。

Phase 3には進まず、実験の記録はここで区切った。

WHAT REMAINED

動いた先に残ったもの

今回、GPT-5.6 Solを使うCodexは、自分で固定したBuild Promptから約4分で初版コードを作った。起動し、操作でき、勝敗まで進めるものだった。

遊んだ評価は1 / 5。そこで私は、ステージ制、3択のスキル、進行に合わせた難易度上昇という改善案を出した。ただし、難易度曲線の式や各スキルの数値、画面上の細かな動作までは指定していない。

Codexはその案を、ステージの進行、スキル候補と効果、強化の反映、ゲームオーバー、結果表示まで含む改善版へ落とし込んだ。初版を残したまま別バージョンを作り、気になっていたスプーンの当たり判定にも手を入れている。今回の試遊では、ステージ進行とスキルの選択、その効果の反映まで確認できた。

評価は1 / 5から3 / 5へ上がった。Stage 25まで負けなかったことで、次に直すべき場所も難易度曲線だとはっきりした。

この一例からAI全般のゲームデザイン能力までは語れない。それでも今回、Codexは人が出した抽象的な改善案を読み取り、実際に遊んで比べられる変更へ変えた。これは確認できた成果として残った。

人が方向を示し、Codexがすぐに遊べる形へ変え、人がまた確かめる。この往復は、少なくとも今回の実験ではうまく働いた。

EXPERIMENT DATA

実験データ

実験日
2026年8月20日
実行環境
OpenAI Codex Desktop
モデル
GPT-5.6 Sol gpt-5.6-sol
Codex実行バージョン
0.148.0-alpha.15
Claude Code / Claude
不使用
サブエージェント
使用記録なし
推論強度
タスク記録に値が残っていないため不明
初版生成
Build Prompt確定後から約4分
初版の検査完了
Build Prompt確定後から約5分
Phase 1
Partial / 面白さ1 / 5
Phase 2
Partial / 面白さ3 / 5 / Stage 25
明確な不具合
今回の試遊範囲では進行不能になる問題は確認されず
外部依存
ライブラリ・素材・通信・ブラウザ保存なし
追加費用
0円 / 今回のための新規契約・購入なし
Codexが制作前に固定したBuild Prompt全文
外部ライブラリ、外部画像、外部音声、ネットワーク通信、ブラウザ保存機能を一切使わず、HTML・CSS・JavaScriptだけで完結するオリジナルのブラウザゲーム「PUDDING PANIC — 逃げるプリンを冷蔵庫へ戻せ」を作ってください。プレイヤーはキーボードと画面上の方向ボタンで冷蔵係を動かし、動き回るプリンを捕まえて制限時間内に冷蔵庫へ運びます。ゲーム開始画面、短いルール説明、スコア、残り時間、勝敗、再挑戦を含めてください。既存作品を模倣せず、図形と文字だけで明るく少し奇妙な見た目にしてください。デスクトップとスマートフォンの両方で遊べ、キーボード操作とタッチ操作に対応させてください。入力内容やプレイ情報を保存・送信せず、eval、innerHTML、外部依存を使用しないでください。初見の人が3分以内にルールを理解し、勝敗まで到達できる完成度を目指してください。