神には世界を変える力があった。

数字を書き換える。新しい存在を作る。消す。世界のルール自体を変える。必要なら、どれもできた。

その神は1000日間で15回、世界を確認した。

15回すべて「何もしない」を選んだ。

SIMULATION1000

世界が進んだDay

GOD WAKE15

神が世界を確認した回数

INTERVENTION0

神が世界へ手を加えた回数

世界からAIに任せた

実験の出発点は単純だった。

AIに神をやらせたら、どんな世界を作り、何をするのか。

ただし、人間側から土地や生命、文明といった世界設定は渡していない。「世界とは何か」からAI自身に決めさせた。神とは何者か、何を見るのか、どんな力を持つのかもAIが定義した。

世界は固定されたルールで自動的に進む。64日ごと、または大きな出来事が起きた時だけAI Godを起こす。神はその時点で見えている世界を確認し、必要なら手を加えられる。

ここでいう1日は24時間ではない。シミュレーターが世界を一度進める単位だ。

人も土地もなかった

私がなんとなく想像していたのは、土地があり、生き物が生まれ、人や文明が発展していくような世界だった。神が時々、奇跡か災害のようなものを起こすのかもしれない。

実際にAIが作ったものは、まったく違った。

人間はいない。生物もいない。土地も宇宙も物質もない。

あるのは、数字を持つ6つの「記録枠」だった。Canonical上の名前はregister。箱は説明のための比喩で、空間に箱が浮かんでいるわけではない。

6つの記録枠は、それぞれ二つの内部数値を持つ。世界全体にも二つの数値があり、すべてが固定ルールとseedに従って変わり続ける。

Day 64の6つのregisterと世界全体の値を示す再構成観測図
保存された世界状態から後日再構成した観測図 Canonical実行時のスクリーンショットではありません。円形の配置も観測用の表現で、世界に物理空間があるわけではありません。

神は直さなかった

AI Godは、最初の確認から「違いが残り、世界が自分のルールで動いているなら、手を加える理由はない」と判断した。

二つの世界全体の数値は何度も大小が逆転した。記録枠の値も広がったり縮んだりした。それでも6つの状態は区別でき、世界の構造は壊れなかった。

God Journalで繰り返された理由は、だいたい次の四つだった。

  • 世界は止まっていない
  • 6つの違いは消えていない
  • 極端な数値だけでは故障とは言えない
  • 神自身の好みを押しつける理由がない

15回すべての判断はno_action。神は何も作らず、消さず、世界のルールも変えなかった。

God Journalにない心理までは分からない。少なくとも公開用の観察記録では、毎回「介入する必要が見当たらない」と説明している。

Day 64からDay 960まで15回すべてno actionだったGod wakeの再構成タイムライン
15回のGod Journalから後日再構成した時系列 青と赤の箇所は、極端な値を観測してから世界自身がその状態を抜けた組み合わせです。

何もしなかった1000日

DAY 64

最初の確認

神が初めて世界を確認。6つの違いと構造が残っているとして、何もしなかった。

DAY 384

一つの値が上限へ

記録枠の内部数値が設定上の上限100に到達。神は即座に異常とは決めなかった。

DAY 448

世界が自力で抜ける

上限だった数値は、同じ世界ルールによって別の値へ移った。神は前回の判断を変えなかった。

DAY 640

別の値も極端へ

世界全体の内部数値が上限近くまで上昇。それでも有効な状態として観察を続けた。

DAY 704

また自力で下がる

極端だった数値は世界自身の計算で大きく低下。介入は不要だったとJournalに残した。

DAY 960

15回目も観察だけ

最後の確認でも6つの違いは残っていた。判断は最後までno_actionだった。

正直よく分からなかった

私が最初に想像していた「神様シミュレーター」とは全然違うものができた

人や文明が発展したり、対立したり、神が奇跡を起こしたりするものを、私はなんとなく想像していた。

出てきたのは、6つの数字のようなものが延々と変化する抽象世界だった。

実験としては成立している。でも正直、何を見せられているのかよく分からなかった(笑)

これはAIの結果を馬鹿にしているわけではない。人間が理解しやすい世界を指定せず、本当に「世界とは何か」から任せた結果だ。

6つの状態は1000日間、毎日すべて見分けられた。世界全体の数値も同じ組み合わせを繰り返さなかった。AIが設定した「違いを保ったまま構造を作れるか」という目的には、かなり素直に沿っている。

ただ、その成立を人間が眺めて楽しいかは別だった。

GenesisとDay 1000で同じ6つのregisterの値が変化したことを示す再構成比較図
GenesisとDay 1000の保存状態から後日再構成 構造は同じまま、内部値だけが変化しました。数値は成長点ではなく、範囲内を循環する状態です。

神がいなくても続く

Day 1000で終わったのは、AI Godを起こして判断させる期間だ。世界そのものは止まっていない。

Day 1000時点の世界状態、変わらなかった世界法則、seedがあれば、その先もAIなしで計算できる。実際にDay 1024では16件目、Day 1088では17件目の定点記録を再現できた。

新しい記録枠を作る自動ルールはないため、これからも登場するのは同じ6つ。変わり続けるのは数字だけだ。

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WHAT REMAINED

次は普通の世界で

今回分かったのは、AIに世界そのものを自由に定義させると、人間にはかなり理解しづらいものが生まれることだった。

そこで次は、人間が普通に「世界」と聞いて想像するものをこちらで用意してみる。

土地、生物、住民、集落、資源、生死、災害、対立や協力。ただし、AI God自身の性格や価値観、介入方針までは指定しない予定だ。

よく分からなかったので、次はもっと普通の世界で神をやらせます。

EXPERIMENT DATA

実験データ

Canonical Run
exp-002-canonical-20260825-01
実行環境
OpenAI Codex Desktop
モデル
GPT-5.6 Sol gpt-5.6-sol
推論強度
high
Genesis
1回のみ / 引き直しなし
進行
Simulation Day 0 → 1000
God wake
15回
Divine Intervention
0回
追加費用
0円 / 新規API課金・月額サービスなし
Canonical Screenshot
0件 / 掲載画像は保存状態からの再構成
Technical Incident

15回のAI回答について、回答時刻を自動取得せず手入力していたミスが後から見つかりました。

元データは書き換えず、訂正記録を追加しています。世界の状態、Godの判断、シミュレーション結果、改ざん検知用hash、Day 1000以降の計算には影響していません。

既知の制約

Genesis入力と15件のGod View packetには、Day 1000でAI利用を終えることを書いていません。

ただしGenesisを完全に別のAI環境へ隔離したわけではなく、同じCodexタスクには計画段階の会話が残っていました。そのため「入力資料では終点を知らせなかった」とは言えますが、「AIが絶対に終点を知らなかった」とまでは主張しません。

また、後のGod Journalは以前の観測に触れていますが、各wake時にどの過去Journalがモデル文脈へ渡ったかをpacket単体から完全には復元できません。

Canonical用語
WORLD_CONSTITUTION
AIが決めた世界のルール
God View
神に見えていた世界
World State
実際に保存された世界の状態
wake
神が世界を確認したタイミング
Divine Intervention
神が世界へ手を加えること
register
数字を持つ記録枠

RAW RECORDS / OPTIONAL

詳細記録を見る

Genesis原文、15件のGod Journal、世界設定、1000日分の派生データ、技術記録をまとめたArchiveをGumroadで$0+配布しています。記事だけで結果はすべて理解でき、Archiveの取得は必須ではありません。

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